世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。
その感染症まん延を防ぐために欠かせないマスク。
弊社では長年、事務用消耗品であるプリンターインク、トナー、筆記具等の通販事業を行って参りましたが、その事業を通じて知り合った中国関連の仲間内業者より「中国より独自ルートでのマスクの仕入れが可能だが販売を手伝ってもらえないだろうか?」と言った要請を受けたのが20年2月中旬。
その時点でも国内でのマスク不足は大きな問題になり始めており、微力ながら少しでもお手伝いが出来ればと思い、マスクの販売を始めさせて頂くことに致しました。
実際にマスクが入荷し、販売を開始したのは、20年3月中旬。
その時点では国内でのマスク不足はさらに深刻な問題となっており、連日ニュースでは開店前のドラッグストアの前に並ぶマスクを買い求める方々の姿が報道されており、ネットでも予約販売を受け付けている店舗こそあれ、在庫を持ち即納で発送する店舗などほぼ皆無の状態でした。
弊社取り扱いサージカルマスクの製造設備の試運転の様子
そんな中、弊社からの初回出荷はご注目をいただき、NHKニュースでも出荷の様子を取り上げていただき、その後も民放各社のニュース番組より取材いただき、順調に販売スタートを切ることができました。
弊社のマスク販売スタートからすでに一ヶ月以上が経っておりますが、未だにマスクの供給量は決して十分と言えず、価格も高止まりしたまま、世界中で安い粗悪な品質のマスクでのトラブルも聞こえてきます。
なぜなのか? 様々な原因や今後の見通しがマスコミやネットで語られておりますが、この二ヶ月間、マスク関連の内外業者、とりわけ中国の製造業者から聞くマスクという商品を取り巻く最近の状況から考えると、決して真実が語られ、予想されているとは思えません。私が聞き知っているのは業界のごく一部の声かもしれませんが、ご参考までにお聞きください。
現在のマスク、とりわけ使い捨ての不織布製マスクを 取り巻く混乱した状態の原因は大きくは3点あります。
|
|

弊社を取り上げていただいた様子。 画像はnews every.より |

そんな中、弊社からの初回出荷はご注目をいただき、NHKニュースでも出荷の様子を取り上げていただき、その後も民放各社のニュース番組より取材いただき、順調に販売スタートを切ることができました。
弊社のマスク販売スタートからすでに一ヶ月以上が経っておりますが、未だにマスクの供給量は決して十分と言えず、価格も高止まりしたまま、世界中で安い粗悪な品質のマスクでのトラブルも聞こえてきます。
なぜなのか? 様々な原因や今後の見通しがマスコミやネットで語られておりますが、この二ヶ月間、マスク関連の内外業者、とりわけ中国の製造業者から聞くマスクという商品を取り巻く最近の状況から考えると、決して真実が語られ、予想されているとは思えません。私が聞き知っているのは業界のごく一部の声かもしれませんが、ご参考までにお聞きください。
現在のマスク、とりわけ使い捨ての不織布製マスクを
取り巻く混乱した状態の原因は大きくは3点あります。
マスクの原材料が値上がりしているという話はマスコミでも時々報じられます。
では、どれほど値上がりしているのかご存知でしょうか?
マスクの主原材料である不織布は一般的にマスク製造工場には大きなロール状で納入されますが、2019年までは1ロール日本円で約30万円だったものが、
2020年4月現在350万円以上と
11倍以上になっているそうです。
また、マスクの性能を左右し、マスクの心臓部でもある、3層構造の中間に装着されているフィルター。これも昨年末まで約80万円だったものが
20年4月現在約1000万円と
12倍以上値上がりしています。
日本でも品薄が話題になったマスクのゴムひも等、マスクの原材料全て、軒並み桁が変わる値上がりをしています。そして
値上がりは今も続いており、どこまで高くなるのか現地の工場でも
見通しが立たないと聞いています。
世界中からの需要は増え続けており、マスクの製造ラインは比較的小規模な生産設備の為、中国だけでなく、日本国内はもとより世界中で増えてマスクの生産能力は日に日に増強されていますが、不織布の製造設備はプラントとまではいきませんが比較的大規模な設備が必要で、数ヶ月で稼動を始め増産体制に入るというのは不可能だと聞いています。
ところで、なぜ大手ドラッグストアチェーンの店頭では昨年と同程度の価格で、お一人様一点限りとかの条件をつけて毎日少量づつ販売しているのか、ご存知でしょうか。
お客様が毎朝開店前に行列を作る映像はニュースネタにもなり、マスクの品不足感の演出に一役買いました。
ドラッグストアでの価格が以前のままなのは、年間契約の契約価格であったり、通常の年であってもインフル&花粉の最もマスクが売れる時期と重なった為、普段よりも在庫を厚く持っており、それを小出しに店頭に出していたと思われます。
では、なぜ圧倒的品不足に陥っているのに追加発注をかけないのでしょうか?手に入らないのでしょうか?
そんなことはありません。前項でもお話ししたように中国の工場にとって日本の顧客は上得意です。しかも大手ドラッグストアチェーンなどVIP待遇です。追加発注があれば最優先で対応してくれるはずです。
仮にその工場が能力的に増産が無理であっても、今後新規に取引を始めたい競合工場からいくらでも引き合いがあったはずです。
では、なぜ追加発注しないのか。問題は価格です。原材料費が10倍以上に高騰しているのです。
以前のままの価格では絶対に無理です。どんなに無理をしても数倍の価格になってしまいます。現在私共が販売させていただいている価格程度になってしまいます。するとおそらく事情をご存知ないお客様より『人の弱みに付け込んでぼろ儲けするつもりか!』などといった非難の声が寄せられるであろうと考え、それを避けたと思われます。企業存続のためには致し方ないとは思いますが……
弊社にもそのような内容のお客様の声をメールや電話で頂戴することもございますが、真摯にご説明をし、ご理解いただけるよう勤めております。
運送費の値上がりに関しましても、かなり厳しい状況になっております。
航空運賃の値上がりはニュースにもなっているように
数倍に上がっており、さらに
便数も減便されている影響で、貨物スペースの奪い合いが起きており、弊社に入荷予定だったマスクが中国側の空港で一週間も留め置かれたりと、運賃の高騰だけでなく
遅延もひどい状態です。